0.はじめに

外国人材の受け入れを検討するとき、他の介護施設がどのような人材不足を感じ、どこで準備に迷っているのかは、判断材料の一つになります。

FUJI CAREが2026年8月に実施した調査では、介護施設・介護事業所に勤務する回答者2,486人のうち82.5%が人材不足を感じていました。
また、同じ回答者の64.4%が、現在雇用中・過去に雇用・受け入れ決定のいずれかに当てはまりました。
これは日本の介護施設全体を推計する数値ではなく、今回の調査参加者の回答です。
本記事では、調査の範囲と条件を明らかにしたうえで、受け入れ判断に役立つデータを整理します。

1.この調査で分かったこと

今回の調査参加者では、人材不足を感じる回答が8割を超え、外国人材の受け入れ経験がある回答も6割を超えました。
一方、詳細設問では、制度・日本語・現場の連携・利用者やご家族への説明が、受け入れ準備の論点として挙がっています。

  • 人材不足を「非常に不足」「やや不足」と感じる回答は82.5%(2,051人)
  • 現在雇用・過去に雇用・受け入れ決定を合わせた回答は64.4%
  • 詳細設問では「募集しても日本人が集まらない」が受け入れ検討のきっかけとして最多
  • 不安としては「日本語力」「制度の複雑さ」「利用者・ご家族の理解」が上位

詳細設問の結果は、採用に関与し、詳しい設問に回答した325人のものです。
数値は回答者の認識・意向を示すものであり、FUJI CAREのサービス評価や介護業界全体の状況を示すものではありません。

2.調査の概要と、読み取る際の注意点

調査は、介護施設・介護事業所に勤務する方を対象に、インターネットで実施しました。
回答を3段階で整理しているため、各数値がどの回答者を母数にしているかを併記します。

項目内容
調査名介護施設の外国人材受け入れ検討に関する実態調査2026
実施主体FUJI CARE調べ
調査期間2026年8月19日〜23日
調査方法インターネット調査
スクリーニング回答者3,863人
主な集計の回答者介護施設・介護事業所に勤務する回答者2,486人
詳細設問の回答者採用に関与し、詳しい設問に回答した325人

2,486人を母数とする項目は、介護施設・介護事業所に勤務する回答者全体の結果です。
325人を母数とする詳細設問は、採用に関与し、詳しい設問に回答した方の結果です。
後者は、回答者の実感や検討上の論点を把握するための参考情報として掲載し、割合を市場全体の傾向として扱いません。

3.調査参加者では8割超が人材不足を感じていた

今回の調査参加者2,486人のうち、「非常に不足している」と回答した人は38.2%、「やや不足している」と回答した人は44.3%でした。
合計82.5%(2,051人)が、程度の差はあっても人材不足を感じています。

人材充足の状況回答割合
非常に不足している38.2%
やや不足している44.3%
どちらともいえない11.1%
ほぼ充足している4.4%
十分に充足している2.0%

この結果は、外国人材の採用だけで解決できることを示すものではありません。
採用方法、定着施策、勤務設計などを検討する際に、受け入れの目的を「人数を増やすこと」だけに置かず、どの業務・時間帯・教育体制に課題があるかを先に言語化することが重要です。

出典:FUJI CARE調べ「介護施設の外国人材受け入れ検討に関する実態調査2026」(2026年8月、介護施設・介護事業所に勤務する回答者2,486人、単一回答)

4.外国人材の雇用状況は、施設ごとの前提確認から読み解く

同じ回答者2,486人では、「現在雇用している」が56.6%でした。
「過去に雇用していた」5.9%と「受け入れが決まっている」1.9%を合わせると、64.4%が受け入れ経験ありに当たります。

外国人材の雇用状況回答割合
現在雇用している56.6%
雇用したことはなく、今後も予定はない26.5%
雇用したことはないが、今後検討している9.1%
過去に雇用していたが、現在は雇用していない5.9%
受け入れが決まっている(手続き中・入職待ち)1.9%

回答者が勤務する施設・事業所の種別は、特別養護老人ホーム34.0%、通所介護27.3%、有料老人ホーム20.3%などでした。
複数の種別を運営する法人は複数回答となるため、割合の合計は100%になりません。

施設・事業所の種別回答割合
特別養護老人ホーム34.0%
通所介護27.3%
有料老人ホーム20.3%
介護老人保健施設19.5%
グループホーム16.5%
訪問介護事業所15.8%

受け入れの可否や必要な準備は、施設種別だけで一律に決まりません。
介護サービスの種類、雇用する人材の在留資格、任せる業務、教育担当の配置を、個別に確認する必要があります。

出典:FUJI CARE調べ「介護施設の外国人材受け入れ検討に関する実態調査2026」(2026年8月、介護施設・介護事業所に勤務する回答者2,486人。雇用状況は単一回答、施設種別は複数回答)

5.詳細設問で見えた、受け入れ検討のきっかけと不安

採用に関与し、詳しい設問に回答した325人では、「募集しても日本人が集まらない」が受け入れを検討したきっかけとして最も多く、51.1%でした。
次いで「退職が続いた」24.9%、「夜勤要員が足りない」18.5%でした。

受け入れ検討のきっかけ回答割合
募集しても日本人が集まらない51.1%
退職が続いた24.9%
夜勤要員が足りない18.5%
法人の方針として決まった15.1%
同業他社の導入事例を見聞きした14.5%

同じ回答者が挙げた不安・障壁では、「日本語力が不安」47.1%、「制度が複雑でよくわからない」28.6%、「利用者・ご家族の理解が得られるか」27.4%が上位でした。
これらは人材そのものの評価ではなく、施設側が事前に整える説明・教育・連絡体制の論点として捉える必要があります。

受け入れへの不安・障壁回答割合
日本語力が不安47.1%
制度が複雑でよくわからない28.6%
利用者・ご家族の理解が得られるか27.4%
教育の負担25.2%
早期に辞めてしまわないか25.2%
既存スタッフの受け入れ体制24.9%

利用者・ご家族への説明については、「言葉が通じるかへの不安」56.9%、「介護の質への不安」53.5%が多く選ばれました。
受け入れ前に、誰が何を説明するか、質問をどの窓口で受けるか、現場職員が共有する情報をどこまでそろえるかを決めることが、誤解を減らす出発点になります。

出典:FUJI CARE調べ「介護施設の外国人材受け入れ検討に関する実態調査2026」(2026年8月、採用に関与し詳しい設問に回答した325人、複数回答)。

6.現場での不安は、業務を具体化して準備する

詳細設問では、配置後に不安を感じる場面として「介護記録の読み書き」51.7%、「利用者の急変時の連絡・報告」48.6%、「申し送り」36.0%が上位でした。受け入れ可否を一般論で決めるのではなく、業務の場面ごとに教育と確認方法を準備することが重要です。

配置後に不安な場面回答割合
介護記録の読み書き51.7%
利用者の急変時の連絡・報告48.6%
申し送り36.0%
電話対応35.1%
利用者のご家族への対応35.1%

受け入れ前には、次のように「誰が・どの業務を・どの順で確認するか」を施設内で整理すると、検討段階の不安を具体的な準備に変えやすくなります。

準備する領域施設内で確認したいこと
業務説明配属先、担当業務、記録・申し送りの見本、質問先
教育体制OJT担当者、確認の頻度、理解度を確かめる方法
緊急時連絡経路、報告の基準、同行・相談の手順
ご家族への説明説明する内容、担当者、質問を受ける窓口
支援の分担施設が担う業務教育と、外部に相談する手続き・生活支援の範囲

具体的な採用・受け入れの手順は、特定技能「介護」人材を採用する流れ https://fuji-careworks.jp/blog/ssw-care-recruitment-flow/もあわせて確認してください。
出典:FUJI CARE調べ「介護施設の外国人材受け入れ検討に関する実態調査2026」(2026年8月、採用に関与し詳しい設問に回答した325人、複数回答)

7.採用の選択肢の一つとして、何を確認するか

詳細設問で「外国人材の採用」を現在実施していると答えた人は32.9%でした。
日本人の中途採用強化64.6%、パート・アルバイトの活用52.6%、処遇改善41.8%、職場環境の改善38.5%と並ぶ、複数の人材確保策の一つとして回答されています。

また、外国人材の採用を検討する条件としては、「日本語がN3以上」48.0%、「支援機関のフォローが手厚い」38.8%、「夜勤に対応できる」26.5%が挙げられました。
これらは必要条件を確定するものではありませんが、候補者の要件、支援範囲、配属後の業務を事前に確認したいという回答者の意識を示しています。

初回の受け入れで「無理がない」と感じる人数として最も多かった回答は「2〜3名」35.7%でした。
ただし、これは回答者が選んだ人数であり、どの施設にも適した人数を示すものではありません。
職員体制、教育担当、住居・生活支援の分担、受け入れ予定時期を踏まえて決める必要があります。

出典:FUJI CARE調べ「介護施設の外国人材受け入れ検討に関する実態調査2026」(2026年8月、採用に関与し詳しい設問に回答した325人。人材確保策・採用条件は複数回答、初回人数は単一回答)。

8.調査から、受け入れ準備を始める施設へのヒント

今回の調査結果は、外国人材の採用を推奨したり、特定の受け入れ方法を正解としたりするものではありません。
施設ごとに必要な人材確保策を考える際、次の順で確認すると判断しやすくなります。

  1. 人員が不足している業務・時間帯と、採用の目的を整理する
  2. 候補者に任せる業務、教育担当、記録・申し送りの確認方法を決める
  3. 雇用条件、在留手続き、支援計画の役割分担を確認する
  4. 利用者・ご家族・現場職員へ説明する内容と相談窓口を整える

特定技能「介護」の受け入れを検討する場合は、在留手続き、協議会、雇用条件、支援計画を、候補者の状況と入職希望時期に合わせて確認します。

9.FUJI CAREに相談できること

FUJI CAREでは、特定技能「介護」の採用を検討する施設に向けて、採用条件、受け入れ準備、登録支援の役割分担を整理する相談を承っています。
制度の確認と現場の準備を分けずに、施設ごとの検討事項を順番に整理したい場合は、外国人介護人材の受け入れ相談 https://fuji-careworks.jp/blog/foreign-care-worker-acceptance-consultation/をご覧ください。

10.まとめ

今回の調査参加者では、人材不足を感じる回答が82.5%、外国人材の受け入れ経験がある回答が64.4%でした。
詳細設問では、制度、日本語、日々の記録・報告、利用者やご家族への説明が、受け入れ準備の論点として挙がっています。

数値は調査参加者の回答に限られますが、受け入れを検討する際には、候補者の属性だけで判断せず、施設側の業務・教育・連絡・支援分担を具体化することが重要です。

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調査データの引用について
本記事の調査データを引用する場合は、調査名、実施主体、実施時期、該当する回答者数、回答形式(単一回答または複数回答)を明記してください。
詳細設問の数値は、採用に関与し、詳しい設問に回答した325人のものです。

参考情報

執筆・監修:株式会社FUJI CARE 千葉県松戸市を拠点に、特定技能「介護」分野の人材紹介・義務的支援を中心に提供。