0.はじめに

特定技能「介護」の職員に引き続き働いてもらうには、雇用契約の更新とは別に、在留期間の更新準備が必要です。
本人や外部の担当者に声をかけたところで止めず、施設側でも期限、雇用条件、書類の担当を把握しておくことが大切です。

この記事では、現在の施設で継続雇用する特定技能1号の職員を主な対象として、人事担当者が確認する順番を整理します。

1.まず結論

在留期間更新では、本人の在留期限と通算在留期間を確認し、現在の雇用・支援の実態に合った書類を準備することが出発点です。
申請の手配から結果の確認まで、施設側の担当を決めて進めます。

  • 在留カードの期限と、特定技能1号としての通算在留期間を分けて確認する。
  • 最新の提出書類一覧で、本人・施設・支援担当者の分担を決める。
  • 申請受付後も、追加資料への対応、結果、新しい在留カードまで追跡する。

2.更新準備は在留期限と通算期間の確認から始める

最初に確認したいのは、今回の在留期限までの余裕と、特定技能1号で働ける期間の残りです。
雇用契約の終了日だけを見て、在留手続きの時期を判断しないようにします。

申請可能な時期と施設内の準備期限を分ける

出入国在留管理庁は、6か月以上の在留期間を持つ方について、満了日の3か月前から更新申請を受け付けると案内しています。
短い在留期間や特別な事情がある場合は扱いが異なるため、本人の条件に合う案内を確認します。出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」

施設内では、申請できる時期に書類をそろえられるよう、前倒しで準備日を決めると管理しやすくなります。
次の表は施設内の運用例で、法定の準備期限ではありません。

施設内の時期の目安確認すること完了を判断する材料
満了の4か月ほど前本人の継続勤務の意向、在留期限、通算期間、担当者本人と施設の予定が一致している
申請可能時期に入る前後最新様式、必要書類、雇用条件や支援内容の変更必要・不要・取得中の書類が分かる
申請後受付の事実、追加資料の依頼、連絡先受付情報と回答期限を確認できる
許可後新しい在留カード、許可期間、次回の準備日台帳と本人への案内を更新した

書類の収集に時間がかかりそうな場合は、満了直前まで待たず、申請を担当する本人や申請取次者と提出時期を相談します。
早く申請しても、希望日までの許可が保証されるわけではありません。

通算5年に近い場合は通常の更新だけで考えない

特定技能1号の在留期間は、通算で原則5年以内です。
転職や今回の更新によって、通算期間が最初から数え直されるわけではありません。
出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」

5年に近づいている方については、在留資格「介護」への変更に必要な条件や、該当する特例の有無を早めに確認します。
介護福祉士国家試験のパート合格等に関する延長措置もありますが、一定の要件と手続きがあり、誰でも自動的に延長される制度ではありません。
厚生労働省「介護分野の特定技能1号の通算在留期間の延長に関する措置」

勤務継続の希望、資格取得の予定、在留期限を同じ表で確認し、判断が必要なケースは地方出入国在留管理局や在留手続きに詳しい専門家へつなぎます。

3.書類は本人・施設・支援担当者の3者で分担する

必要書類は、本人の状況や受入れ機関の区分、提出を省略できる条件などによって変わります。
前回の申請ファイルをそのまま使わず、出入国在留管理庁の現行の提出書類一覧を起点にします。

次の表は、書類を漏れなく集めるための担当分けの例です。
全員が一律に提出する書類の一覧ではありません。

確認する領域主に情報を持つ人施設側で確かめること
本人の在留状況・住所等本人在留カード等の情報、変更の有無、必要な証明書の取得予定
雇用契約・報酬・勤務場所人事・労務担当現在の契約内容と実際の勤務に食い違いがないか
法人・労働保険・社会保険・税務関係法人本部・経理担当最新一覧で必要となる資料と取得にかかる日数
支援計画・支援の実施状況施設の支援担当・委託先支援内容や担当の変更、必要資料の所在
介護分野固有の資料人事・事業所責任者協議会など、分野別の要件に関する資料の要否

参照:出入国在留管理庁「特定技能」の提出書類案内

一覧には「担当」「施設内の締切」「取得状況」「不足時の連絡先」を添えます。
必要な資料の共有範囲は絞り、在留カードや税務関係の資料を、職員全員が閲覧できる場所へ置かないことも大切です。

登録支援機関に支援を委託していても、更新申請のすべてをその機関が行うとは限りません。
支援の委託範囲、申請取次の可否、書類作成や提出を誰が担うかを契約に沿って確認してください。

4.前回の申請から変わった雇用・支援内容を洗い出す

書類の枚数をそろえるだけでなく、申請内容が今の働き方と合っているかを確認します。
特に、法人本部・現場・支援担当者で別々に情報を管理している場合は、変更点を突き合わせます。

  • 給与や手当、勤務時間、契約期間に変更があるか。
  • 就業場所や担当業務に変更があるか。
  • 本人の住所や連絡先に変更があるか。
  • 支援の実施方法や委託先、担当者が変わっているか。
  • 休業など、通算在留期間の確認に関わる事情があるか。

変更がある場合、更新申請だけで対応が終わるとは限りません。
必要な届出や別の申請の有無を、事実関係とともに担当者へ確認します。
別法人への転職を、同じ施設での更新と同様に扱わないことも必要です。

また、特定技能の提出書類や省略のルールは見直されています。自治体への協力確認書や支援計画との関係も含め、古いチェックリストだけで判断しないようにします。出入国在留管理庁「省令改正の案内」

日常の生活支援と施設側の役割は、外国人介護職員の生活支援を整理した記事も参考になります。

5.申請した後も受付・結果・新しい期限まで確認する

「依頼した」「申請したと聞いた」だけで管理を終えず、受付を確認できる情報を残します。
その後の追加資料の依頼を誰が受け取り、施設へどう連絡するかも決めておきます。

在留期限を迎える場合は申請状況を確認する

在留カードを持つ方が期限内に更新申請を行い、満了日までに処分がされない場合、処分時又は満了日から2か月が経過する日の終了時の、いずれか早い時まで、従前の在留資格で在留・活動できる「特例期間」があります。
申請中なら無期限に滞在・就労できるという意味ではありません。

施設は、申請受付の事実、特例期間の適用、従前の活動として勤務を続けられる条件と期限を、本人・申請取次者と確認します。
期限が迫っている、不許可等の通知を受けた、申請状況を確認できない場合は、そのまま勤務を続けてよいと判断せず、地方出入国在留管理局へ確認してください。
出入国在留管理庁「特例期間とは?」

許可後は台帳と次回の準備日を更新する

新しい在留カード等で許可内容を確認し、施設の管理台帳に反映します。
本人にも新しい期限を伝え、次回の準備開始日を共有します。
原本を施設が一律に預かり続ける運用は避け、確認・保管は必要な範囲に限ります。

更新時に分かった支援の行き違いは、その場だけの対応で終わらせず、日常の連絡方法や担当分担の見直しにつなげるとよいでしょう。

6.継続雇用に向けて更新準備と支援の担当を整理する

更新の準備では、「誰が申請をするか」と「誰が雇用・支援の情報をそろえるか」を分けて決めると、抜けを見つけやすくなります。
まずは本人の在留期限、継続勤務の意向、雇用・支援内容の変更点をまとめてみてください。

株式会社FUJI CAREは、特定技能「介護」の人材紹介と登録支援を行っています。
継続雇用に向けた支援体制を見直したい場合は、現在の委託範囲と施設内で困っていることをお知らせください。
申請そのものの担当も含め、相談時に役割を確認できます。

特定技能「介護」の継続雇用に向けた支援体制を相談する

執筆:株式会社FUJI CARE