1.介護福祉士国家試験の改正

改正のポイント

  1. パート合格制度の導入
    →試験問題(全科目)を複数の「パート」に分けて合否判定する制度が導入されます。
    具体的に国家試験全体を3つのパート(A・B・C)に分割し、それぞれで合格基準に達すればそのパートは合格扱いとなります。
  2. 施行時期
    第38回(2026年1月実施)は新制度導入後の初回試験なので、全受験者がすべてのパート(全科目)を受験します。
    第39回以降は、不合格パートのみ受験するか、全パート受験するかを選択できるようになります。
  3. 合格基準の仕組み
    →総得点での基準(約6割)や、各科目での得点要件などは基本的に従来の基準を維持しながら、パートごとの合否判定が加わる形になります。
    つまりこれまでは一発合格(全科目合格)しかなかったのに対し、新制度では段階的に合格を積み重ねられる仕組みになりました。
  4. 制度の背景
    →パート合格制度は「働きながら」「継続的に学習したい」受験者や、日本語学習などが必要な外国人介護職にとって、受験の負担を軽減し合格機会を拡大する目的があります。
  5. まとめ
    パート合格しただけでは介護福祉士資格は付与されず、国家資格としての合格(つまり介護福祉士資格)は「全パート合格(全3パート合格)」が必要になりました。

2.特定技能制度への影響

改正のポイント

  1. 関係法令の改正
    特定技能1号の在留資格をもって在留する外国人のうち、特定技能2号評価試験等に不合格となった者で、一定の要件を満たす者については、通算在留期限の上限である5年を超えて本邦に在留することについて、相当の理由があると認められるものとして取り扱われることになりました。
    これにより、当分の間の措置として、通算在留期間が6年に達するまでの在留が認められることになりました。
  2. 一定の要件とは
    →介護分野の特定技能外国人のうち、在留期間(通算5年)経過直前の介護福祉士国家試験において全パートを受験し、以下の①及び②の要件を満たしていること。
    ①1パート以上合格している
    ②総得点に対する合格基準点の8割以上の得点がある。
    →さらに以下の(ⅰ)~(ⅲ)について誓約する必要があります。
    (ⅰ)国家試験の合格に向けて精励し、かつ、国家試験を受験すること
    (ⅱ)国家試験に合格した場合、速やかに在留資格「介護」に変更すること
    (ⅲ)国家試験に合格できなかった場合、速やかに帰国すること
  3. 必要な手続き(特定技能所属機関)
    →学習計画を対象者本人とともに作成すると同時に、以下の書類を厚生労働省に提出する。
    (1)パート合格による介護分野で本邦に在留する1号特定技能外国人の通算在留期間の延長に係る確認書(別紙様式1)
    (2)受験した年の「介護福祉士国家試験結果等について」の写し
    (3)在留カード(表面)の写し
    (4)学習計画(別紙様式2)
  4. 制度の背景
    →深刻な人手不足が続く中、実務経験を積んだ特定技能1号外国人が特定技能2号評価試験の不合格のみを理由に在留期間満了で帰国せざるを得ない状況が課題となっており、人材の定着と円滑な特定技能2号への移行を図るため、一定の要件を満たす場合に限り、通算在留期間を6年まで認める措置が講じられたと考えられます。
  5. まとめ
    →本改正により、特定技能1号外国人の在留継続が一定程度可能となり、人材の定着促進や受入企業の人材確保の安定化が期待されるでしょう。また、特定技能2号への移行に向けた準備期間を確保できることで、制度と現場の乖離の是正にもつながるとされています。一方、本措置は暫定的な制度であるため、受入企業や登録支援機関には制度動向を踏まえた適切な在留管理と支援体制の構築が求められます。

3.当社の取り組み

まとめ

当社は、インドネシア人介護人材に特化した登録支援機関として、制度理解から現場定着まで一貫した支援を行っています。今回の制度改正についても、外国人本人および受入企業の双方に正確な情報を提供するとともに、在留期間の管理や特定技能2号への移行を見据えた継続的なフォローを重視しています。
また、外部委託に頼らず、専属の通訳スタッフを常駐させることで、制度変更時や試験不合格後の不安、現場での意思疎通に関する課題にも迅速に対応できる体制を整えています。
今後も、介護現場の実態と外国人材一人ひとりの状況に寄り添いながら、定着と長期的な活躍を支える支援を通じて、持続可能な外国人材受入れの実現に貢献してまいります。