01
インドネシア人介護人材と宗教事情の基本
インドネシアでは、国として以下の6宗教が公認されています。
- イスラム教(約9割)
- キリスト教(プロテスタント)
- カトリック
- ヒンドゥー教
- 仏教
- 儒教
介護分野で来日するインドネシア人材の多くはイスラム教徒です。ただし、信仰の厳格さには個人差があり、「全員が同じ配慮を求めるわけではない」点は重要なポイントです。

02
礼拝(サラート)への配慮

イスラム教徒は1日5回の礼拝(サラート)を行います。 介護施設の勤務時間と重なりやすいのは、
- 昼の礼拝(ズフル)
- 午後の礼拝(アスル)
介護施設での実務対応例
- 数分〜10分程度、静かに祈れるスペースを確保
- 休憩時間の調整で対応できるか事前に相談
- 礼拝を理由に注意・叱責しない職場理解
必ずしも専用の礼拝室が必要なわけではありません。空き部屋や更衣室の一角など、現実的な対応で十分なケースが多いです。
03
インドネシア人介護人材と食事制限(ハラール)
イスラム教では、食べてよいもの(ハラール)と禁止されているもの(ハラーム)が明確に定められています。
特に注意が必要なもの
- 豚肉・豚由来成分
- アルコール
介護施設での注意点
- 施設食や職員食に豚肉が含まれる場合の事前説明
- 無理に同じ食事を強要しない
- 懇親会・飲み会でのアルコール強要をしない
インドネシア人介護人材本人がどこまで厳格に守るかは人それぞれです。事前確認と尊重の姿勢がトラブル防止につながります。

04
ラマダン期間中の介護業務への配慮

ラマダン(断食月)は、イスラム教徒にとって非常に重要な宗教行事です。日の出から日没まで飲食を断ちます。
ラマダン中に起こりやすい変化
- 体力・集中力の低下
- 日没後に疲労が出やすい
介護施設での配慮例
- 重労働や夜勤配置の調整
- 体調不良時に相談しやすい雰囲気づくり
- 宗教行為を揶揄する発言をしない
過度な特別扱いは不要ですが、最低限の理解が定着率向上に直結します。
05
服装・身だしなみ(ヒジャブ)への対応
インドネシア人介護人材の中には、ヒジャブ(スカーフ)を着用する女性もいます。
介護現場での注意点
- 就業規則で一律に禁止しない
- 衛生・安全面が必要な場合は代替案を相談
- 宗教的背景を評価・批判しない
一方的な禁止ではなく、業務上の理由を説明し話し合う姿勢が重要です。
事前確認でトラブルを防ぐ
弊社では、ヒジャブを業務中に外す必要があるかどうか、また外すことが可能かについて、受け入れ前の段階で必ず施設と本人に確認を行っています。
介護現場では、
- 衛生管理
- 入浴介助や医療的ケア
- 安全面の確保
といった理由から、業務内容によって服装に一定の制約が生じる場合があります。そのため、来日後や配属後に初めて説明するのではなく、事前に丁寧に説明・確認することを重視しています。
このように、あらかじめ認識をすり合わせておくことで、
- 「聞いていなかった」という不満
- 宗教上の価値観の衝突
- 配属後のトラブルや早期離職
を防ぐことにつながります。

06
宗教行事・祝日と介護施設のシフト調整

イスラム教には以下の重要な祝日があります。
- イドゥル・フィトリ(断食明け大祭)
- イドゥル・アドハ(犠牲祭)
この時期は帰国や休暇希望が集中しやすくなります。
実務ポイント
- 有給休暇取得の事前相談
- 年間シフト計画への組み込み
早めの共有が、介護現場の混乱防止につながります。
07
専属通訳による迅速なフォロー
宗教や文化に関するトラブルの多くは、価値観の違いそのものよりも「言葉の行き違い」から発生することが多いです。
弊社では、通訳を外部委託に頼るのではなく、インドネシア語対応が可能な通訳スタッフを専属で雇用しています。
専属通訳体制のメリット
- 現場で違和感や不満が生じた際にすぐ対応できる
- 宗教・文化背景を踏まえた説明が可能
- 小さな誤解の段階で問題を解消できる
特に、礼拝・食事・服装(ヒジャブ)など宗教に関わるテーマは、微妙なニュアンスの違いが大きなトラブルにつながりやすい分野です。専属通訳が間に入ることで、企業側・本人双方の認識を正確にすり合わせることが可能になります。
この体制により、問題が大きくなる前に対応し、介護現場の混乱や早期離職を防ぐことを心掛けています。

08
宗教理解は人材定着のカギ

インドネシア人介護人材の宗教配慮は、特別な設備や大きなコストが必要なものではありません。小さな理解と声かけが、
- 現場トラブルの防止
- 離職率の低下
- 介護の質向上
につながります。
これからインドネシア人介護人材の受け入れを検討している企業にとって、本記事が実務の参考になれば幸いです。
受入検討中の企業様へ
弊社では、ヒジャブ着用の可否を含めた事前確認や、専属通訳による迅速なフォロー体制を通じて、現場でのトラブルを未然に防ぐことを大切にしています。
インドネシア人介護人材の受け入れに不安や疑問がある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
企業と人材、双方が納得できる受け入れを、私たちがサポートします。



